一般社団法人 日本医療情報学会

[4-E-3] クリニカルシークエンスデータの標準化の動向

*荻島 創一1、今井 健2、Bron Kisler3、Robert Freimuth4、Lindsay Smith5 (1. 東北大学 高等研究機構 未来型医療創成センター、2. 東京大学大学院医学系研究科、3. ISO/TC215/SC1、4. Mayo Clinic、5. GA4GH)

Clinical Sequence, Standardization, ISO, HL7, GA4GH

個人のゲノム情報をはじめとした各種ゲノム・オミックス検査情報をもとに、その人の体質や病状に適した医療を行ういわゆるゲノム医療が進展している。わが国では、国の成長戦略としてゲノム医療を推進するため、「全ゲノム解析等実行計画」が実施されている。がんや難病を中心とした10万規模の全ゲノム解析が進められており、本年度はがんについては1万症例、難病については800症例の全ゲノム解析が進められ、全ゲノム解析等の結果を患者に還元する体制の構築を推進している。さらに、全ゲノム解析等の実施体制の将来像として、医療機関、臨床検査会社、解析・データセンターによるゲノム医療と、アカデミア、産業界による研究開発のサイクルによるエコシステムの実施体制が検討されている。全国規模のゲノム医療の実施体制の実現には標準化が重要である。HL7 Clinical Genomics WG、ISO/TC215/SC1、GA4GH (Global Alliance for Genomics & Health)にて標準化が進んでいる。前回の連合大会では新たに発足したISO/TC215/SC1による標準化の状況とISO/TC215/SC1国内対策委員会の先生方から国内のゲノム医療の状況について紹介いただいた。今回は、本学会で関係する方々にご参集いただき、ISO/TC215/SC1で進展している規格の最新状況に加えて、HL7 Clinical Genomics WG、GA4GHで進展している規格の最新状況を紹介し、この課題にいかに取り組むべきかワークショップ形式で議論したい。