一般社団法人 日本医療情報学会

[4-E-3-02] ISO/TC215/SC1における規格制定の現状紹介

*今井 健1 (1. 東京大学 大学院医学系研究科 疾患生命工学センター)

ISO TC215(Health Informatics)においては、これまでもWG2(Systems and Device Interoperability)などでゲノム・オミックス領域の規格が議論されてきた。しかし、ゲノム医療の急速な進展と共に、関連して発生する情報の取り扱いの標準規格を策定する必要性から規格数が急増したため、Sub Committee である SC1(Genomics Informatics)が発足し、独自に取り扱うこととなった。SC1 では活発に規格提案が行われており、最近の投票では例えば (1) 表現型データの交換フォーマット(ISO/PWI 4454)、(2) クリニカルシーケンスにおける腫瘍遺伝子変異量の記述に関する技術仕様(ISO/PWI TS 4424)、(3) シークエンスデータの共有のための技術仕様(ISO/CD TS 23357)、(4) EHR における融合遺伝子の構造化レポートの技術仕様(ISO/CD TS 22693)、(5) ハイスループット遺伝子発現データの信頼性評価基準(ISO/DTS 22690)、(6) 遺伝子検査用製品・サービスのためのゲノムデータに関する記述規約(ISO/PWI TS 8392)、(7) ゲノムサーベイランスのための相互運用システムの要件(ISO/PWI TS 8376) などが存在している。本発表ではこのようなSC1標準化活動の概要を紹介すると共に、いくつかの規格を取り上げその内容と投票の際に問題となる議論ポイントなどについて紹介する。