一般社団法人 日本医療情報学会

[4-F-2] モバイルヘルス(オンライン診療、テレナーシング、デジタル治療)の現状と課題

*近藤 博史1、長谷川 高志2 (1. 鳥取大学医学部附属病院医療情報部、2. NPO法人 日本遠隔医療協会)

mobile Health, Interoperability, Online clinic, Telenursing, Digital Therapeutics

コロナ禍でオンライン診療が注目されて、日本の医療DXが一挙に進むかと思われたが、初診からのオンライン診療はあまり広がらず、感染者が増加し、自宅待機者への保健所からの電話対応が中心で重症化率の高い既往症のある方の遠隔モニタリングよりも往診対応など、医療DXは進んでいない。
 本来、医療DXでは生活習慣病対策として未病の段階からの介入の社会的必要性とその方法としてスマート・スマートフォンとクラウド技術により可能になったモバイルヘルスの影響が大きい。海外のモバイルヘルスは、これまでの医療自体へも変革をもたらしている。これまで専門医が直接対面診療をすることが難しかった症例数の少ない患者への医療、日常の仕事が多忙で医療機関への受診が困難な患者への対応、在宅患者への対応、次回の外来診療の期間までの日常生活中に変化する病状への対応などへの向上が見込まれている。そのような視点でオンライン診療、テレナーシング、デジタル治療等の日本の現状と課題を議論したい。
 近藤は医療情報部長として2003年から大学病院で電子カルテを100%稼働させ、シンクライアント基盤導入、ハードの分離統合入札をするなど病院の情報システム基盤構築の視点と日本遠隔医療学会会長の視点から大学病院の電子カルテとモバイルヘルス融合の現状と課題を北欧での医療DXと比較しつつ述べる。黒木先生はオンライン診療を実践され、中心的存在で、多くの経験、知識をお持ちで、広い視野からオンライン診療の現状と課題を述べる。亀井先生は日本在宅ケア学会理事長としてテレナーシングを進めておられ、今年、テレナーシングガイドラインを出されたので、ガイドラインを中心にテレナーシングの現状と課題を述べていただく。野村先生は循環器学会でデジタル循環器学を推進される先生の一人で、デジタル治療の現状と課題を述べていただく。最後に会場の皆様と議論する。