[4-F-3-02] ICFによる生活機能評価とは
ICF, code, human's life, ICD-11
2001年にWHOが採択した国際生活機能分類(ICF)の最も大きな特徴は、心身機能の障害による生活機能障害を、単に能力障害や社会的不利などの否定的側面によって分類するのではなく、活動や社会参加などの肯定的側面、加えて背景因子などに光を当てて分類するところにある。そして、その分類の手法は、人間のあらゆる健康状態に関係した生活機能状態から、その人をとりまく社会制度や社会資源まで、すなわち人が生きることの全体像をアルファベットと数字を組み合わせた方式で表記するというものである。 ICF で扱う情報は、2 つの部門(Parts)に整理分類され、第1 部は生活機能と障害(Functioning and Disability)、第2 部は背景因子 (Contextual factors) を扱う。生活機能と障害の構成要素は、「心身機能と身体構造」、および「活動と参加」からなり、背景因子の構成要素は、「環境因子」と「個人因子」からなるが、個人因子は分類されていない。ICF分類コードでは、前記の構成要素の中から、「心身機能」、「身体構造」、「活動と参加」、「環境因子」の4つが評価の対象とされる。それぞれの項目は、アルファベットの頭文字「b心身機能」、「s身体構造」、「d活動と参加」、「e環境因子」と数字を組み合わせた方式でコード化される。アルファベットの後に続く数字の桁は、分類の細分化のレベルを表し、左から1 桁が第1 レベルの章(30 chapters;b1~8、s1~8、d1~9、e1~5)とされ、3 桁までが第2 レベルのカテゴリー(362 categories)、4 桁までが第3 レベルのカテゴリー(1424 categories)、5 桁までが第4 レベルのカテゴリーとされ、階層的な構造となっている。 実際にICF を対象例に適用する場合には、第2 レベルまでの正確さで表記し、3~18 個のコードを用いるのが適当とされている。また、ICFコードには、小数点(分離点)が付与され、小数点以下に評価点を設定する(Qualifiers)ことで、意味を持つコードとなる。