[4-F-3-04] 入院患者の生活機能サマリーの試行評価:ICFに準拠した情報の活用に向けて
ICF, Summary Report on Functioning, Trial evaluation
1.背景と目的:入院患者の高齢化が増える中、生きることの全体像を示す「生活機能モデル」であるICFを医療現場においても活用することが期待されている。医療現場で働く多様な職種がICFを実際に評価し、その情報を用いるには、医師・看護師がICFの概念や評価における考え方を理解することが必要である。今回当院において、昨年度報告した1)ICFに準拠した生活機能サマリーによる評価の導入に向け、試行評価を行った経験を報告する。 2.方法:試行評価にあたっての準備としては、まず地域包括ケア病棟及び回復期リハビリテーション病棟に勤務する看護助手(介護職員)を中心とし、主任看護師と副看護部長を加え、ICF推進チームを立ち上げ、カンファレンス前にICFによる評価を実施した。 3.結果:試行評価の結果、職種による評価の視点のずれが指摘されたため、ICF推進チームに理学療法士や作業療法士を加え、院内学習会を実施し、この改善を図った。一方で、生活機能サマリーの活用によって、カンファレンスでの場面で、これまでの退院支援のプロセスでは共有されなかった活動や参加に係る情報が共有され、退院後の在宅生活の継続を支え、その質を高めるような支援を検討するための情報が補強されたという報告もあった。 4.結論:今回の試行評価を通じて、医療機関においてICFを評価し、患者の全体像を理解するために活用するには、ICF概念の理解と評価のずれをなくすための学習会等の視点を統一の機会が必要なことが明らかになった。当院では、2021年7月から全病棟で生活機能サマリーによる評価を開始したところであるが、引き続きの取り組みが必要と考えられた。
文献 1)大夛賀政昭、渡邉直、柴山志穂美、坂田薫(2020).生活機能サマリー,ICFに準拠した標準化への取り組み.第40回医療情報学連合大会(第21回日本医療情報学会学術大会).
文献 1)大夛賀政昭、渡邉直、柴山志穂美、坂田薫(2020).生活機能サマリー,ICFに準拠した標準化への取り組み.第40回医療情報学連合大会(第21回日本医療情報学会学術大会).