[4-F-3-05] ICF準拠の生活機能評価の有効性とその評価を看護職が担うことの可能性について
ICF, functioning/disability assessment,, nursing records, ICT
ICF準拠の生活機能評価の有効性とその評価を看護職が担うことの可能性について、異論を唱える方は少ないと考える。しかし、現状で時間外勤務が多い看護業務に新たな役割を求めることは、「絵にかいた餅」になることも否定できない。そこで、今回は看護業務を見直し、ICF準拠の生活機能評価が行える余地が見出せないか検討してみたい。 2020年度診療報酬改定に際して、看護業務に占める看護記録に係る時間について、中医協が審議している。その資料の中で、看護師のタイムスタディ調査によると、看護師の業務のうち「看護記録」に要する時間は全体の約14%であり、「看護記録」のうち特に「日々の看護実施記録」に要する時間が多い。この14%の内訳として、日々の実施記録12%、重症度、医療・看護必要度の入力・チェック0.7%、退院時サマリー作成0.6%、看護計画・アセスメント0.5%、看護情報提供書作成0.1%となっている。最も多い日々の実施記録の中には、施設基準の要件として義務付けられている記録が増加傾向にある。これらの記録と、重症度、医療・看護必要度の入力・チェックについては、ICTへの移譲可能性が高い。実際、厳しい勤務環境を改善する取組の一環として、必要度の評価方法を看護職による人手からICTへ移行することが要件化された。従来型の必要度の調査は、全ての入院患者に対して毎日定点調査を行い、根拠となる記録とともに入力してきた。1日当りの所要時間は少しずつでも、1入院期間中に費やされる時間は相当なものとなる。 必要度調査は、日々の人手による調査からICTへの移行に10年以上を要し現場の負担になったが、この反省を踏まえて、ICF準拠の生活機能評価については、日々の関連ある項目を入力しておくことで、退院時に半自動で評価結果が得られるような工夫も必要であり、ICTの活用によって実現可能性は高いと期待している。