Japan Association for Medical Informatics

[4-G-1-06] 医療機関の情報ネットワークにおけるDynamic VLAN導入の費用対効果の分析

*Keiko Suganuma1, Hiroyuki Hoshimoto1, Hironori Ishiwari1, Kouhei Okude2, Taichi Tsuchiya3, Tsuyoshi Koseki4, Tomoharu Suzuki4, Naoki Yasumoto4, Masamichi Ishii1, Kengo Miyo1 (1. 国立国際医療研究センター, 2. 日本電気株式会社, 3. 日本電気通信システム株式会社, 4. テクノブレイブ株式会社)

Medical Informatics, Network, Dynamic VLAN

医療機関のネットワークは多くの場合、診療情報など機微な情報を扱う診療系と一般的な事務を行う事務系に分かれている。そのため各系それぞれで機材や配線が必要となっていることに加え、直近のCOVID-19対応などの理由による診察室レイアウトの変更や新規機器の導入による、ネットワーク構成の変更に多くのコストが必要となることが多く見られている。NCGMでは2020年度、ネットワークの全面刷新の際に運用コストと管理工数の低減のため、ネットワーク構成を半自動的に変更可能なDynamic VLANを導入した。Dynamic VLANではWeb認証やMACアドレス認証が使用されていることが多いが、当センターではIEEE802.1X認証を採用し、ユーザーが自ら証明書を取得してインストールできるツールを導入した。
 Dynamic VLAN導入の結果、非導入の場合には診療系と事務系で別個に必要となる端末認証サーバの統合が実現された。これにより構築費用の14百万の削減が実現された。さらに、軽微な端末配置の変更はネットワーク設定の変更無く実施可能となり、設定変更準備に要する時間とSE費用の節減に成功した。従前はネットワーク構成変更に都度50万程度の費用が発生しており、2020年実績ではネットワーク構成変更に要した費用は総額500万円程に上っていたが、この費用が抑えられるとともに、1案件あたりの担当者の対応時間も4時間ほど削減し、要望が出た後から対応完了までの時間も短くなった。
 Dynamic VLANの構築により案件当たりの費用・業務の削減が実現され構成変更コストは今後5年で計2500万円の削減が期待される。さらに、構築費用の削減と合わせると約4千万円の費用節減となることが見込まれる。