Japan Association for Medical Informatics

[4-G-1-07] 長崎県における多施設間による質的監査の試み

*Naota Taura1, Chikayuki Morita1, Kumiko Akiyama1, Chikako Nagai1, Yuko Teramatsu2, Hitomi Ikeda2, Izumi Yoshitsugu3, Kumiko Matsuo3, Takehiro Matsumoto1 (1. 長崎大学病院 医療情報部, 2. 佐世保市総合医療センター, 3. 長崎みなとメディカルセンター)

Medical record , qualitative check, Multicenter research

【目的】診療情報管理室主導で行われている診療録の量的監査や質的監査により、入院診療計画書などの未記載や不備が激減し、診療録および退院サマリー精度が向上している。今回、地域での診療録精度向上を目的とし3施設間における質的監査を点数化(0,1,2点)し集計した結果を報告する。 【方法】長崎県における500床以上の2次・3次医療を提供する3施設(A病院、B病院、C病院)にて2019年度の診療情報管理した行った質的監査の結果を集計した。各施設での診療科および監査項目が異なったため、診療科は3施設共通の診療科のうち退院患者数の多い10診療科(消化器内科、循環器内科、産科婦人科、呼吸器内科、小児科、泌尿器科、眼科、整形外科、形成外科、耳鼻咽喉科)を対象とした。また、監査項目は3施設共通の現病歴・既往歴・身体所見・入院の理由を監査項目とした。 【結果】各施設にて比較検討したところA病院は現病歴1.8点、既往歴1.8点、身体所見1.7点、入院の理由1.7点であったのに対し、B病院では1.9点、1.8点、2.0点、1.9点、C病院では1.8点、1.7点、1.8点、2.0点と現病歴では差をないも既往歴、身体所見、入院の理由記載については施設間にばらつきを認めた。さらに診療科別に集計した結果、現病歴における1.8未満の診療科は消化器内科、眼科、形成外科。既往歴では、消化器内科、循環器、産婦人科、小児科、泌尿器科、眼科、整形外科、形成外科、耳鼻科であった。身体所見では、呼吸器内科、泌尿器科、形成外科であった。入院理由では、消化器内科、眼科であった。また、施設間における診療科別でも大きな差異を認めた。 【結語】多施設間の質的監査にて施設間で診療録の精度が異なることが明らかとなった。また、診療科別でも差異をみとめた。今後、監査マニュアルを統一化しさらなる精度の向上に勤め、地域での診療録の精度向上を目指す。