Japan Association for Medical Informatics

[4-H-1-01] 2020年・2021年個人情報保護法改正が医療情報の取扱いに与える影響

*Yoichiro Itakura1,2,3,4 (1. Hikari Sogoh Law Offices, 2. RIKEN Center for Advanced Intelligence Project (AIP), 3. National Institute of Informatics, 4. Research Center on Ethical, Legal and Social Issues, Osaka University)

個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)に関しては,2020年改正(個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律(令和2年法律第44号)によるもの)により,不適正利用禁止,利用停止請求等の拡張,仮名加工情報制度などが導入されている。また,2021年改正(デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37号)によるもの)により,個人情報保護法制の官民一元化が行われ,同時に,大学・病院・研究機関については概ね民間事業者と同様の規律が適用されるようになるほか,研究目的例外についての規律が精緻化される。

医療情報の取扱いに広く関係する大学・病院・研究機関としては,2021年改正により民間事業者と同様の規律が適用される結果,2020年改正を踏まえた民間事業者の規律に対応しなければならない他,研究目的例外の規律の変更により,共同研究等のスキームの見直しも行わなければならない。また,これらの改正を踏まえて,研究倫理指針の改正も予定されている。

本発表では,2020年・2021年個人情報保護法改正が医療情報の取扱いに与える影響を概観する。