[4-H-3-02] 僻地医療での臨床研究から世界のビッグデータ解析研究へ
Real world data, Sodium-dependent glucose cotransporter 2, Chronic kidney disease
私の研究の原点は、2002 年に自治医大を卒業後、故郷宮崎県で従事した僻地医療にある。 多くの高齢者を診療する中で、その健康状態には顕著な個人差があることに驚き、その原 因を突きとめると誓い臨床研究を進めた。この僻地医療での体験は、サイエンスという枠組みを超え、データベース研究を行う上でとても大切なことを私に教えてくれた。それは、臨床研究を行う上では地域住民・行政の協力がいかに大切か、その協力を得続けるためには何をすべきか、ということである。その教訓は、現在のビッグデータ解析研究を行う上で重要な教訓となっている。2012 年から2020年までは、米国にてFramingham Heart StudyやCoronary Artery Risk Development in Young Adults (CARDIA)研究など、世界的に有名なデータベースを用いたビッグデータ解析を行い、2020 年 8 月から日本でリアルワールドデータ研究を開始し、研究領域を拡大させている。本講演では、僻地医療での臨床研究から世界のビッグデータ解析研究へと展開した経緯について報告し、その経験に基づいて、①データベース研究において大切なこと、②日米の違い、③より質の高いデータベース研究を展開する上で提案させていただきたいことなど、について私見を述べさせていただく。