Japan Association for Medical Informatics

[4-H-3-04] Real-world evidence expected in health technology assessments(cost-effectiveness analyses)

*Haku Ishida1 (1. Yamaguchi University Graduate School of Medicine)

cost-effectiveness analysis, real-world evidence, chronic kidney disease, case registry

我が国においては、医薬品、医療機器を対象とした費用対効果評価が2016年からの試行的導入を経て2019年より本格的に導入された。現在は保険償還対象の医薬品、機器等が対象となっているが、将来的には新薬や新しい医療機器の保険償還の可否にも用いられる可能性もあり、また、より高額な医薬品等の新規の医療技術が導入されている現状から、益々、費用対効果評価を含む医療技術評価が重要な研究領域となっている。
 腎臓病領域においても、各種のスクリーニング検査、多職種、あるいは行動変容によるアプローチ、透析療法や薬剤治療等などの様々な医療介入に対する費用対効果研究が国内外から報告されている。慢性腎臓病などの慢性疾患への医療介入における費用対効果評価においては、その基となるエビデンスとして、解析対象となる患者集団の疫学的特性、医療介入のない本来の自然歴や一定の標準的治療の下における経過、疾患(病態)の従来のマネージメントに要する費用や生活の質(QOL)等からの効用等のデータ、そして、それぞれの医療介入における効果および副作用、また、その医療介入おける費用ならびに効用変化などの質の高いデータが必要となる。
 それらの個々のエビデンスは、実際の医療介入を受ける対象のより質の高いものが望まれ、国外のものより国内、小規模の対象よりも多施設のより規模の大きな集団のものが望まれ、また、RCTのようなEfficacy(効能)データよりも実際の臨床でのEffectiveness(有効性)データが本来の費用対効果評価には有用である。
 本稿では具体的なマルコフモデルを用いた費用対効果分析事例を基に、費用対効果評価の視点から、大規模症例を蓄積した臨床データベースから生み出される疫学情報、種々の治療等の条件下での予後情報、さらには病態別の費用、効用情報における質の高いリアルワールドエビデンスへの期待を論じる。