Japan Association for Medical Informatics

[4-P-1-04] 統合データベースを活用した検査レポートの未読管理に関する当院の取り組み

*Yukie Okada1, Masami Mukai1,2, Katsuya Tanaka2,1, Naoki Mihara2,1 (1. 国立がん研究センター中央病院医療情報部, 2. 国立がん研究センター情報統括センター)

HIS, Unread Reports, Integrated Database

【背景・目的】検査レポートの未確認で生じる医療事故を防ぐことは非常に重要である。当院では、2018年に独自のシステムを構築し、放射線・病理レポートを対象に未読既読ステータス管理を開始した。しかし、従来の仕組みでは各レポートの未読既読のステータス情報が、基幹、部門システムで分散管理されるためシステムごとに情報収集しなければならない、リアルタイムにステータスが反映されない、正確に情報を集めるには述べ7.5時間/日が必要であり、さらに、集計時のエラー対応やPC占有の課題もあった。本年5月の病院情報システム更新を契機に、これらの課題解決を目的として、新たに構築した統合データベース(以降、統合DB)を利用し、放射線・病理レポートを対象とした、未読既読ステータス情報をリアルタイムに反映させ、基幹システムで一元管理ができる仕組みを構築したので報告する。【方法】新規導入した統合DBでは、分散管理されている基幹、部門システムのデータを一元管理し、必要なデータを随時抽出することができる。各部門システムへ3分間隔でアクセスし、部門システム側で保持するレポートの未読既読ステータス情報を統合DBで集約した。次に、各レポートの版数、開封権限、担当診療科等のチェックを行い、レポートの既読情報を基幹システム側に送信する。送られた情報を元に標準のレポート管理一覧画面で、未読既読ステータス管理を一元的に行うこととした。【結果・考察】従来の仕組みでは実現できなかったリアルタイムな未読既読ステータス管理、一元管理が可能となった。統合DBと電子カルテ標準のレポート管理画面を活用することにより、集計作業を自動化できた。今後、統合DBによる連携を拡張することで内視鏡、超音波等のあらゆる種類のレポートの未読既読ステータス管理にも適用できる汎用性の高い基盤を構築したいと考える。