Japan Association for Medical Informatics

[4-P-2-02] ナショナルセンターにおける電子カルテ情報を活用したリアルワールドデータ収集・提供基盤の構築事業(JASPEHR)

*Kenji Hatano1, Kengo Miyo2, Naoki Mihara3, Naohiko Hiramatsu4, Takashi Noguchi5, Hiroshi Watanabe6, Shingo Kitamura7, Risa Sakurai4, Hiroyuki Hoshimoto2, Masami Mukai3, Katsuya Tanaka3 (1. 国立精神・神経医療研究センター 医療情報室, 2. 国立国際医療研究センター 医療情報基盤センター, 3. 国立がん研究センター 中央病院 医療情報部, 4. 国立循環器病研究センター 情報統括部, 5. 国立成育医療研究センター 情報管理部, 6. 国立長寿医療研究センター 医療情報室, 7. 国立精神・神経医療研究センター 睡眠・覚醒障害研究部)

Electronical Medical Record, Patient Registry, National Center

ナショナルセンター(NC)では、多施設から多数症例の電子診療情報を効率的に集約し、全国規模での臨床情報データベースとして共用できる研究リソースシステム基盤を構築することを目的として、R1年度より統合診療情報データベース基盤の構築事業(Japan Standard Platform for Electronic Health Records : JASPEHR)に取り組んでいる。
J-DREAMS等の先行する全国規模の診療録直結型レジストリ研究に倣い、NC病院の電子カルテシステムのSS-MIX2ストレージより診療データを抽出し、VPN通信によりデータセンターにデータの蓄積を開始している。すでにNC受診患者約36万人分の基本情報・病名・外来受診歴・入院歴・処方注射・検体検査結果等の情報が収集され、順次対象のNCを拡大している。収集・蓄積されたデータの管理・利活用については、国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部(JH)の関係部課の管轄の元に実施される予定であり、現在体制の整備が進められている。収集データの検証・品質管理は今後継続的に行うが、SS-MIX2の最新版で採用された医薬品のYJコード追加にいち早く対応し、コードの精緻化を実現している。
診療録直結型レジストリでは対象疾患特有の詳細な臨床情報を、電子カルテテンプレートで収集するが、電子カルテベンダで仕様が異なるため作成・配布にベンダ・システム毎の対応が必要となる課題がある。本研究事業において、テンプレートの作成・配布のコストを下げ効率的なデータ収集を実現するため、ベンダ・システム共通のテンプレート仕様を策定し、システムへの実装を目指している。電子カルテベンダとの協調の下、テンプレート仕様はHL7-FHIRに準拠とし、それに基づき電子カルテシステムのテンプレート定義を生成するシステムの開発を進めているので、進捗を報告する。