一般社団法人 日本医療情報学会

[4-P-2-03] 当院における臨床研究基盤整備:FHIRと「REDCap」のデータ連携

*太田 恵子1、岡村 浩史3、吉田 尚生5、下岸 亮祥4、津村 綾子4、下野 直美4、阿多 信吾6、新谷 歩2,1、日野 雅之3,1 (1. 大阪市立大学医学部附属病院 臨床研究・イノベーション推進センター, 2. 大阪市立大学大学院 医学研究科 医療統計学, 3. 大阪市立大学大学院 医学研究科 臨床検査・医療情報医学, 4. 大阪市立大学医学部・附属病院事務局 医事運営課 情報システム担当, 5. 大阪市立大学 健康科学イノベーションセンター スマートサイエンスラボ, 6. 大阪市立大学 情報基盤センター)

FHIR, EDC, REDCap, Data Warehouse, Clinical Research

【背景】当院では2007年から病院情報ネットワーク(HIS)内に電子カルテが導入されており、延べ90万人弱の医療情報が保存されている。また、年間300件弱の新規臨床研究が倫理委員会で審議されており、研究計画時における実現可能性の確認の為の件数調査、研究実施時での対象症例のデータ収集等に医療情報が活用されている。研究のデータ管理にはElectronic Data Captureシステム(EDC)が活用され、本学ではEDC「REDCap」が導入されているが、多くの場合手作業でデータ入力がなされており、時間とコストがかかると共にヒューマンエラーのリスクも高い。REDCapはHL7 FHIRとデータ連携機能(Clinical Data Pull ; CDP)を持つが、本邦でこの機能を運用している施設は無い。当院では今後の臨床研究支援を目的として、REDCap-FHIRのデータ連携を実装した。
【目的】HIS内のFHIRとREDCapを使用し、データ連携を実現する。
【方法】FHIR(病名、患者基本情報、バイタルサイン、臨床検査結果、薬剤情報、微生物検査結果)を導入する。REDCapを導入しFHIRとデータ連携させる。
【結果】HIS内に構築したFHIRサーバから、REDCap上で指定した患者の情報を取り込むことができた。
【考察】REDCap-FHIR連携機能を運用することで、研究者の業務負担軽減に寄与できる可能性がある。REDCapのCDPはOAuth認証のみに対応しているため、HIS内でのFHIR-REDCap連携において、REDCapサーバとFHIRサーバにSSL証明書が必要である。
【結語】HIS内においてFHIRとREDCapのデータ連携が可能となった。今後、多施設研究に対応する為にHIS内とインターネット上のREDCapのデータ連携方法について検討が必要である。