Japan Association for Medical Informatics

[4-P-2-05] 診療情報の研究的二次利用のためのデータ抽出処理開発機能を備えた統合的な診療情報利活用基盤の構築

*Masami MUKAI1,2, Ryota Eguchi4, Daisuke Nakagawa4, Masayoshi Seki6, Hiroaki Hasegawa5, Katsuya Tanaka2,1, Ryuji Hamamoto3, Naoki Mihara2,1 (1. 国立がん研究センター中央病院医療情報部, 2. 国立がん研究センター情報統括センター, 3. 国立がん研究センター研究所 医療AI研究開発分野, 4. 株式会社ファインデックス システム開発部, 5. 株式会社ファインデックス 病院ソリューション部, 6. 有限会社グローバルフォー)

database, Web application, Django Framework, Python

【背景・目的】AI機械学習のように集積された診療情報を利用した研究開発は今後さらに促進されることが期待される。当院でも、医師や研究者による様々なデータ抽出の要件に柔軟に対応できるような環境が求められてきたが、都度スナップショットでしかデータを提供できない課題があった。著者らは、病院情報システムのサブシステム群に分散保管されている診療情報、診療科ごとの症例登録データ、遺伝子変異情報などを統合的に収集し二次利用を可能とする診療情報利活用基盤の開発に取り組んでいる。本プロジェクトでは、診療情報利活用基盤構築に関する取り組みとして、①病院情報システムに分散した診療情報を収集・保管するための統合データベース、②収集データの二次利用が可能な診療科ごとの症例データテンプレート入力機構を実現してきた。今回、統合データベースの横断検索を可能とする研究用データセット抽出機能の開発に着手したので報告する。【方法】研究プロトコルごとに柔軟にデータ検索および抽出を実現する手段として、WEBサービスを立ち上げ、そのバックエンドにWEBアプリケーションを開発するフレームワークを導入した。フレームワークにはDjango Frameworkを採用した。【結果】PythonによるDBアクセス、データ整形機能を実現することができた。ユーザ側で簡易に拡張可能なWEBアプリケーション開発用フレームワークを導入し、エンドユーザ向けに要件にあったデータ抽出環境を提供可能となった。【考察】WEBアプリケーションにより実現したことで、院内の電子カルテ端末を利用したデータ抽出環境を提供できることが期待される。対象期間を変更するだけのデータ抽出処理であれば同じページで実現できるため、より効率的に利用者が求める形式でのデータ抽出を実現することができた。【今後の計画】作成したプロトタイプをもとに個別のユースケースに拡張していく。