Japan Association for Medical Informatics

[LS10-03] オープンアーキテクチャーの拓く画像ストレージの未来

*黒田 知宏1 (1. 京都大学医学部附属病院 医療情報企画部 教授)

 オープンアーキテクチャーは、一つの情報リソースを複数のシステムで共有することを可能にするアプローチである。京大病院の現行の病院情報システム(KING6)では、推計1PB に上るDICOM 画像データを保管するオープンアーキテクチャーの公開DB(OCDB)の構築を、既存PACSベンダーの協力の下で実施した。OCDBにより、3D解析、術中参照、カンファレンス支援等、複数ベンダーのシステムで、あたかも自社サーバーのように検索し、汎用ファイル転送プロトコルを通じて高速にデータを参照できる環境が整い、重複保存も削減することができた。
 現在構築中の次期システム(KING7)では、放射線以外の画像データを扱う様々な部門システムベンダにも参画を求め、院内のあらゆる画像を預かり、データに一元アクセス出来る環境を仮想化基盤上に構築する。これにより、部門横断で統合画像検索が可能になり、診断での画像データの更なる活用促進や、研究支援を目指している。