Japan Association for Medical Informatics

[LS7-01] 全体最適化を見据えた医療情報活用のための情報基盤構築

*田中 良一1 (1. 岩手医科大学 総合情報センター)

 医療を取り巻く環境の変化に対応し、現場ではこれまで限られたリソースを活用し乗り越えてきた。その過程で課題解決型アプローチとして個別最適化が進んだ結果、医療情報は電子カルテだけでなく様々な部門システムに分散し保存されるようになっている。しかし、この実情に反して現場では電子カルテにすべての機能と情報を集約しようと無理な個別最適化が行われたり、部門から発生した情報を電子カルテが受け取れないために情報を二重に入力する手間が発生したりと、逆に運用負荷が増大する問題が発生している。結果として情報の一元性を容易に保てない状況に繋がり、このような情報管理の複雑さが二次利用においても障害となっている。
 われわれはこのような問題を解決するために医療情報基盤を活用し情報統合および相互運用性の確保に取り組んでいる。ここでは、全体最適化を見据えた情報活用に資する医療情報基盤整備について、われわれの取り組みを元に解説する。