Japan Association for Medical Informatics

[2-C-3-04] HL7FHIRを利用した電子カルテテンプレート情報収集に関するIBMの取り組み

*Kazuki Takizawa1 (1. IBM Japan, Ltd.)

JASPEHRプロジェクトの一環として電子カルテに蓄積された電子的診療情報を効率的かつ効果的に収集するため、海外でも注目され日本においても医療情報の次世代標準交換規約としての期待が高まっているHL7FHIRを用いてIBMの電子カルテのテンプレートで記載・登録された診療情報を蓄積するシステムを開発した。
プロジェクトで取り決めたQuestionnaireJaspehrプロファイルに準拠したFHIR Questionnaireリソースで表現されたテンプレートのひな形情報を電子カルテテンプレートマスターに変換し電子カルテ上でテンプレートとして利用できるようにした。
このテンプレートを使用して記録・登録された診療情報は電子カルテシステム本体に登録されると同時に、FHIR QuestionnaireResponseリソースに変換してSS-MIX2拡張ストレージに格納する機能を作成した。
今回は仕組みの構築までを実施したが、今後はこの仕組みを利用して実際の診療情報がデータセンターに集約され臨床研究に利用されることが期待されている。
一方、FHIR Questionnaireリソースはデータ構造に関しては簡潔に定義されているが、テンプレート画面上での表現(項目配置、コントロール、など)については明確に取り決めされておらず、現状ではベンダー個別に解釈した表現となっている。
電子カルテ各ベンダーの特性を考慮しながらも可能な限り見た目も統一するためのプロファイルの拡充がJASPEHRプロジェクトとしての今後の課題と考える。
また、QuestionnaireJaspehrプロファイルを協議する中でIBMの電子カルテとして拡張すべきテンプレート機能が明らかになったため、これについてはベンダーの課題として電子カルテパッケージの機能拡張を行っていきたい。