一般社団法人 日本医療情報学会

[2-C-3-05] 文書管理システムにおけるHL7 FHIR Questionnaire対応の現状と課題

*垣内 圭介1 (1. 株式会社ファインデックス)

・開発システムの概要
 現在、HL7 FHIR Questionnaireリソース規格を用いて電子カルテや文書システムで利用されている各テンプレート情報の標準化とデータ収集に向けた基盤整備が進められている。弊社の文書管理システムは、電子カルテのサブシステムとして様々な医療文書の作成を行う際に、文書テンプレート入力機能を利用いただいている。今回は、HL7 FHIR Questionnaire リソース規格に準拠する共通テンプレート仕様に基づくテンプレート定義ファイルを用いて、テンプレート定義ファイルを文書管理システムで利用可能な形式へコンバート、文書管理システム上でのテンプレート入力とテンプレートデータ登録、テンプレート登録データをHL7 FHIR Questionnaire Responseリソース規格に準拠する共通構造化テンプレート仕様の形式でデータ出力といった一連の実装を行った。実装状況と課題について報告する。
・文書管理システムとしての課題
 弊社の文書管理システムでは、文書の出来上がりイメージ(帳票イメージ)上で各データ項目を入力する入力形式となっている。現在のHL7 FHIR Questionnaire リソース規格では、各データ入力項目のレイアウト位置情報に関する定義がない。そのため、Questionnaire リソース規格に準拠したテンプレート定義ファイルを取込んだ後に、各データ入力項目を文書上の適切な場所へ配置するメンテナンス作業が必要となる。データ入力項目が上から下へ順番に並んでいるシンプルなテンプレート様式であれば、テンプレート定義ファイルを取込んでそのまま利用できる可能性はある。しかし、病院で扱われる文書は、様々な様式(レイアウト)があるため、各データ入力項目のレイアウト位置情報をHL7 FHIR Questionnaire リソース規格としてどう扱うか今後の検討課題と考える。