[2-C-3-06] Cyber R®システムとFHIRリソースとのマッピング — テンプレートへの自動入力実現のために
Cyber R®システムは、電子カルテとは独立して診療情報の入力テンプレートを提供するシステムであり、電子カルテと同じ端末上で動作することから、カルテデータの自動取り込み、入力された情報のカルテへの書き戻しの機能を持つ。また、電子カルテと独立したシステムであることから、入力された情報の研究データとしての再利用が容易である点も特徴である。 昨年度は、JASPEHRのQuestionnaire定義で送付された質問項目定義をルールファイルに半自動的に変換し、実際に動作可能なテンプレートとして動作させるところまでを実施して、問題点の検討を行った。 一方、JASPEHRの将来的な展開としては、FHIRのStructured Data Captureの枠組みを用いて、作成された質問票に対するデータの自動転記の取り組みが始まるものと考えられるが、その場合には転記元のデータがFHIRリソースとしてアクセスできることが前提である。そこで、現在運用しているCyber R®系システムの内部データ構造を精査し、FHIRリソースとしてのデータ提供が可能であるかどうかを項目ごとに検討した。 現在腫瘍学領域で展開しているCyber Oncology®システムにおける主要なデータベース項目について、FHIR v4.0.1 + mCODE v2.0.0 のリソースに対応付けが可能であるかどうか検討したところ、66.8%の項目については、機械的な変換のみで対応付けが可能と考えられた。ただし、FHIRではSNOMED-CTの利用が前提となっている項目が多く「ライセンスの問題」がある点、またFHIR側で化学療法レジメンのサポートが十分でない点が課題として判明した。 Cyber R®システムで収集したデータの多くがFHIRリソースとして提供可能になれば、入力されたデータの再利用がさらに容易になるものと考えられた。