一般社団法人 日本医療情報学会

[2-D-1] 医療情報の安全な二次利用とセキュリティ基盤技術

*田中 勝弥1、宮地 充子2、三本 知明3、北村 光司4、山本 隆一5 (1. 国立がん研究センター、2. 大阪大学大学院工学研究科、3. 国際電気通信基礎技術研究所、4. 産業技術総合研究所、5. 医療情報システム開発センター)

個人情報保護制度の改正、医学系研究等に係る倫理指針の見直し、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律(次世代医療基盤法)に関するガイドラインの改正などにより、医療現場および臨床研究を取り巻く環境は大きく変化してきています。医療・介護、臨床研究の現場において、法制度への準拠は当然守られるべきですが、一方で、情報の利活用が阻害されては、医療・医学の発展が望めません。しかしながら、医療情報を利活用する過程において、情報漏洩をはじめとするセキュリティ事故やプライバシ侵害が起こってはならず、データの収集、インフォームドコンセント、第三者への提供、流通するデータのトレーサビリティ、匿名加工処理など広範囲にわたる高度なセキュリティ技術の適用と運用が求められています。また、プライバシを守りつつ安心・安全に医療情報の利活用を実現できるクラウドサービスの開発・普及は、今般のCOVID-19におけるパンデミック状況下でも社会活動を維持・活性化するための重要な要素の一つとなります。
本応募企画では、個人情報保護制度・倫理指針・ガイドラインの改正に伴う留意事項に関する情報共有をはじめ、新たに2022年4月に次世代医療基盤法に基づく認定を受けた匿名加工医療情報公正利用促進機構からの事業展開に関する情報提供、および、分散管理されたデータを中央に集中させることなく,プライバシを保護しながら突合する技術の検診データへの応用事例・結果をはじめとした、情報保護を担保しながら利活用を可能にする基盤要素技術の開発・応用、について、各研究グループからの医療・臨床研究、予防安全などの各分野での取り組み状況を情報共有し、議論の場としたいと思います。