一般社団法人 日本医療情報学会

[2-D-1-03] 局所差分プライバシの定義拡張

*三本 知明1、松中 隆志1、横山 浩之1、中村 徹2、磯原 隆将2 (1. 株式会社国際電気通信基礎技術研究所、2. 株式会社KDDI総合研究所)

privacy, local differential privacy, RAPPOR

局所差分プライバシ(LDP)は個人のプライバシを定量的に保証するプライバシ指標であり,データ形式やユースケースに応じてLDPを満たすメカニズムが提案されている.提案されたメカニズムの多くは,最悪ケースを考慮したノイズをデータに与えることでLDPを厳密に満たす.本稿では,LDPを拡張した機能的局所差分プライバシ(FLDP)を定義し,LDPおよびFLDPを同時に満たす確率的メカニズムを提案する.データ保有者が特定の特徴の開示を許す場合,最悪ケースを考慮する必要がなくなるため,小さいノイズでプライバシを保証することができる.さらにFLDPメカニズムを用いたプライバシ保護フレームワークを提案し,画像データを用いた実験を通して提案フレームワークの評価を実施する.