Japan Association for Medical Informatics

[2-D-1-04] Understanding risk situations in daily life by integrating behavior data of the elderly behavior library and injury related data

*Koji Kitamura1, Mikiko Oono1, Yoshifumi Nishida2 (1. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 2. Tokyo Institute of Technology)

Elderly behaviors, Physical function, Cognitive Function, Injury Prevention

日常生活環境で起きる問題は、個々の環境で起きており、広く薄く存在する現象である。そのため、1つの環境でデータを集めても問題の大きさや全体像を把握することは難しい。さらに、日常生活空間は、構成要素は似ているものの、モノの配置や生活する人の特性といった組み合わせを考慮すると、多様性と個別性があり、全てカバーするように網羅的にデータを収集するアプローチは限界があり、難しい。このような課題を持つ対象の例として、高齢者の日常生活環境での事故の問題がある。一般に、事故データを元にどのような事故が多いのかといった情報を注意喚起するものはあるが、具体的な状況などは分かりにくく、対策の検討があまり進んでおらず、個人が注意して対応する、というのが現状である。
一方、センサやAI技術の発展から、断面的にではあるものの、日常生活データが収集可能になっており、データにもとづいて定量的に日常生活を扱えるようになってきている。そこで、別々に取得された日常生活に関するデータと事故データとを合理的に統合することで、事故が発生し得る具体的な状況を把握可能にし、予防策の検討を支援するアプローチが考えられる。具体的には、類似した状況で発生した日常生活と事故を紐づけて提示することで、合理的にあり得る事故状況を提示可能になると考えられる。著者らは、これまでに整備してきた高齢者の日常生活を記録した動画集である高齢者行動ライブラリと日常生活事故に関するデータである救急搬送データに関して、状況をグラフ構造で記述する方法について取り組みを進めてきた。本発表では、グラフ構造で記述した状況の類似度を元に、日常生活と事故を紐づけて提示する取り組みについて紹介する。