Japan Association for Medical Informatics

[2-D-3-04] 医療オープンデータを戦略的に活用する技法

*Makoto Kojio1 (1. Social Insurance Tagawa Hospital../ Management planning division)

  近年、DPCデータ及びデータ提出加算による医療機関のレセプト等の提出データ、病床機能報告、NDBオープンデータ等の発展などに伴い、医療データ集積力が高まっている。特に、2020年以降は、個々の病院のデータについては、データ提出加算の適応範囲の拡大に伴い急性期のみならず、回復期、慢性期にも広がりを見せている。一方でその公開レベルは、データ集積範囲には追いついていない。しかし、これらの経緯を鑑みるに今後はさらなるデータの公開が期待される。そこで、重要となるのは、オープンデータをどう”医業経営に活かせるか”、である。
  第40回医療情報学連合大会では、” 病院経営における戦略的データ活用法-データドリブンな戦略検討技法”と題して、オープンデータを用いた急性期の入院患者数推計の試算手法を解説した。また、これを発展させ戦略検討に資するフレームワークへの応用(PPM(Patient Portfolio Management)分析)についても解説した。先述の通り、オープンデータは、様々なものが公開されており、今後もその適応範囲の拡大が期待されるところである。仮説と発想があれば、経営戦略に資する分析フレームを提供可能な時代になっている。
  本発表では、このオープンデータをいかに医業経営の現場で活用できるか、という視点に立ち、以下の事例について実際の活かし方と共にケーススタディ的に解説する。
・NDBオープンデータを活用した診療行為から見る需要推計と戦略形成
・NDBオープンデータを活用した入院料算定状況が見る将来推計と戦略検証
・病床機能報告オープンデータベースを活用したベンチマーク分析と適正資源配分の検討
・病床機能報告オープンデータベースを活用した病床機能戦略の検討