Japan Association for Medical Informatics

[2-E-2-04] Toward the implementation of ICF-based functioning assessment into nursing practice

*Yumiko Uto1 (1. Div. of Medical informatics, Kagoshima University Hospital)

ICF, summary on function/disability, discharge nursing summary, standardization

「地域時々入院」という地域包括ケアシステムの構築が急がれている中で、地域医療連携に必要な看護情報や看護職の役割が不明確である。例えば、急性期医療機関から提供している看護サマリーが役に立っていないという指摘がある。また、看護記録と介護記録の間で、用語の問題や記載内容の客観性など解決されていない課題は多い。
超高齢社会となり、複数疾患を抱えつつ生活を行う個人が多数存在する社会においては、個々人の疾患が何々であるのかという事と併せて、その個人の生活機能のレベルが可視化できることが、管理(治療・ケア)において必須である。ADLについては、リハビリ領域でのFIMやICF stagingの使用、あるいは介護施設におけるBarthel indexの使用があげられるが、急性期・回復期・慢性期・在宅まで幅広く活動している看護領域においては、そのような評価のためのツールを持ち合わせていない。かつて、看護必要度が導入された時にはそのような役割も期待されたが、入院基本料の施設基準の要件とされたため、診療報酬改定のたびに調査項目の見直しが繰り返され、患者の生活機能を評価するためのツールとはなり得なかった。また、調査のための定点観察と記録が義務化され、それに要する時間が看護業務を圧迫する結果となった。
一方、24時間継続して患者をケアしながら、異常の早期発見に努める看護師の記録は、他の保健医療チームメンバーにとって有効な情報収集の場となる。看護師が日常看護を展開しながら正確に記録を行う(他の職種にもわかる用語で記載する)ことで、それらの記録の中から必要な情報が自動抽出され、最終的に退院時看護サマリーが作成されるように、項目の標準化を目指すべきである。また、それらを基に生活機能サマリーの軸となる評価の大半が自動的に作成できるような仕組み作りも必要である。今後、ICF準拠の患者生活機能サマリーの開発を行う上で、皆様からのご助言をお願いしたい。