一般社団法人 日本医療情報学会

[2-F-2] 病院の基盤設備としてのこれからの電波利用

*花田 英輔1 (1. 佐賀大学)

Wireless communication, Wireless Telemetry system, Wireless LAN, Cellular phone, Guidelines

病院をはじめとする医療機関に加え、在宅医療、さらには老人健康施設においてもICT化は進んでいる。特に無線通信はその基盤としての導入が確実に進んでいる。しかし、無線通信運用におけるトラブルは後を絶たない。業務用無線通信のトラブルは、患者のバイタルサインの異常検知の遅れ、ベッドサイドでの患者情報の参照及び入力ができないなど、患者安全と労働効率に対する脅威となりえる。 電波環境協議会(Electro-Magnetic Compatibility Conference、以下EMCC)は総務省と協力し、2021年7月に「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」(以下、「手引き」)の改定版を発行した。この手引きは、特に医用テレメータ、無線LAN、携帯電話を対象として、安全な導入と運用のための情報、病院側に求められる管理体制についてまとめている。また、改定にあたり、病院内の各区域における注意点(「エリア別対策実施例」)を掲載するとともに、無線LANについてはテザリングの取り扱い、携帯電話関連では5Gへの対応などが追加された。 本セッションは、改定された新しい手引きの内容を紹介し普及を図るべく、総務省電波環境課と共同で行うシンポジウムである。手引きの内容紹介に加え、病院内における無線通信運用事例および管理技術について紹介する。 本シンポジウムを通して、無線通信の設置と運用にかかる問題点と安心・安全な運用方法、およびその事例が周知され、患者安全と作業効率の向上が図られることを望むと共に、今後起こり得る問題についても議論する。