一般社団法人 日本医療情報学会

[2-F-2-01] 「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」改定を始めとする総務省の取組

*福尾 日菜1 (1. 総務省 総合通信基盤局 電波部 電波環境課)

Radio wave use, Wireless LAN, Wireless medical telemetry system

医療機関において電波を利用する機器の普及拡大に対応するため、医療機関における電波の安心・安全な電波利用のため、総務省は活動を行っている。
当初、総務省は、携帯電話の普及に伴う医用電気機器への影響への懸念について対応として指針作成を行っていたが、医療機関で利用される無線機器が携帯電話だけではなく、医用テレメーターや無線LANなど様々な種類のものが利用されていることが認識されたことから、電波を安心・安全に利用できるよう、総務省は、厚生労働省とともに、電波環境協議会において、全国医療機関アンケート調査や技術的検証を行い、平成28年に、「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」(以降、「手引き」という)が公表された。総務省では、運用方法や管理体制整備について、各地域の医療機関や関係団体への周知活動や現状把握などの対話を積極的に行ってきた。
こういった、「手引き」(初版)以降の検討を反映し、2021年7月、電波環境協議会において、手引き(改定版)をとりまとめ、公表した。「手引き」(改定版)は、電波利用機器(医用テレメーター/無線LAN/携帯電話/その他の機器)のトラブル事例や対応策、医療機関において電波を管理する体制等の整備を中心になるべく分かりやすく情報提供を行うものである。
また、関係団体への対話の成果の一つとして、日本医療評価機構が2022年4月にとりまとめた「病院機能評価」に、「手引き」(改定版)にもとづいて携帯電話の利用や無線LANの整備の重要性や、医用テレメーターの設備管理の重要性が記載された。 本「手引き」の周知を通して、電波利用に係る問題点や対応方策について共有され、状況の変化が速い医療機関において、安心・安全な電波利用を通して、医療の質の向上や効率化が図られることを期待したい。