Japan Association for Medical Informatics

[2-F-3-02] Application of RFID Tag system to identify surgical instruments exactly and rationally in operation

*Atsuko Okuda1 (1. Teine Keijinkai Hospital)

手術室看護師は患者誤認、体内遺残、患者への身体損傷のリスク回避に対して常に緊張感を持ちながら、安全な手術を提供する役割がある。手術場面で使用するガーゼや器械の紛失は「簡単に気がつくのではないか」と思いがちだが、看過されやすい。その要因としては、長時間手術による肉体疲労や緊張感による精神疲労、緊急手術の判断を迫られる多重課題などが挙げられる。そのため、未だに手術室での体内遺残が根絶されない。また、手術現場には数百種類の器械があり、使用器械が多い術式では1つの手術で、数百点の器械カウントを行う。これらのカウント時間はスタッフの経験値(人的要因)によって異なり、業務の生産性や正確性に課題がある。そのため常に時間的・人的余裕はない手術現場では、安全管理や働き方の視点からもDX化を図る必要があると考える。その上で、手術前後の器械カウントにRFIDを活用することは、信頼性の高い器械カウントを瞬時に行うことができることは、大きな魅力となる。実際に、QRコードやRFIDを活用し手術前のピッキングや手術終了時の最終カウントを行っている施設はあるが、器械出し看護師が求めるのはまさに術中の器械の所在確認である。すべての器械が自分の手元に戻ってきているのかが一眼でわかることが理想である。加えて、医師は器械の使いやすさを重視し、看護師は器械の適切な管理を重視するため、それらを併せて解決していく必要がある。タグの装着位置による器械の耐久性、受け渡しの把握ができる電波距離を考慮したタグの大きさ、滅菌への耐久性や装着されたタグの脱落リスクを含めて考えていかなければならない。今回は、実際に様々なRFIDの大きさや比較を行った結果から、患者への安全な手術の提供と看護師の業務負担の軽減のため、RFIDの活用方法を考察する。