一般社団法人 日本医療情報学会

[2-G-3-04] 医療機関コードにおける郡市区番号の市区町村との対応表の作成と分析

*岡本 悦司1 (1. 福知山公立大学)

medical provider code, area code, health insurance claims, geographical analysis

医療機関には10ケタの医療機関コードが付番されている。医療機関コードの構造と付番方法は1976年の通知によって定められ,10ケタのコードは,都道府県番号2桁,点数表番号1桁(医科1,歯科3,調剤4),郡市区番号2桁そして医療機関番号4桁と検証番号1桁からなっている。郡市区番号は「都道府県ごとに,郡,市及び区を単位として,厚生局長が定める」とされ「国立病院機構の各施設を一般の医療機関等と区別する必要があるときは,郡市区番号に代えて,これらを1単位とした2桁の番号を定めても差し支えない」ともされる。郡市区番号は,医療機関の地理的位置を把握する上で貴重な情報なるも,どの郡市区番号がどの市区町村と対応するかは,全国的な対応表は公式には存在しない。そこで,厚生局が公表する全国の医療機関のコードとその所在地から両者の対応表を作成し,郡市区番号と市区町村との対応関係を分析した。2022年6月現在の医科医療機関(病院と診療所)は95,813機関で,計2,628の市区町村に所在していた。これら2,628の市区町村が1,428郡市区番号に分布しており,一つの郡市区番号に複数の市区町村が含まれるものが多数ある。郡は複数の町村を含むことが通常であり,郡部では同一の郡市区番号に多数の町村が属することが多い。郡市区番号と市区町村の対応を分析したところ,郡市区番号と市区町村とが一対一で対応していたものは1,428郡市区番号中1,050であり,一つの郡市区番号に2つの市区町村が含まれているもの133,3つ含まれるもの82,4つ含まれるもの59・・・と漸減した。最高は一つの郡市区番号に42の市区町村が含まれるものがあったが,こうした多数の市区町村にまたがる郡市区番号は国立病院等を総括した番号であった。郡市区番号と市区町村の対応表は地域分析の上で有効なツールとして活用できる。