Japan Association for Medical Informatics

[2-G-3-06] 地域連携における国際生活機能分類(ICF)モデルに関する国内の研究の動向〜標準的生活機能サマリーの構築にむけて〜

*Mayumi Suenaga1, Watanabe Sunao2, Tokuda Hidehiro3, Iwaanakuchi Takashi4, Uto Yumiko4 (1. 与論町社会福祉協議会, 2. 一般財団法人 医療情報システム開発センター, 3. ファミリークリニックネリヤ, 4. 鹿児島大学病院医療情報部)

Functional Status Summry, Regional cooperation, Standardization

【目的】地域包括ケアシステムの充実に向けて円滑な地域連携は必須である。急性期から回復期、慢性期医療機関へさらに在宅ケアへの連携の中で生活機能サマリーは連携ツールとして重要な役割が期待されている。しかしながら、実際は、情報が十分でないのが現状である。少子高齢化が急速に進んでいる状況下で、疾患背景だけではなく、その人の生活全般に関する能力の把握が治療やケアの継続を担保する上で不可欠である。我々はICF準拠の生活機能サマリーの構築に向けて具体的な検討に着手している。そこで本研究では、国内の文献レビューを行い、標準的生活機能サマリー構築に向けた研究の動向および今後の課題について示唆を得ることを目的とした。【研究方法】医学中央雑誌およびCiNii Articles Web版を用いて2001年〜2022年までの原著論文・報告を対象に「ICF」「生活機能サマリー」「地域連携」をキーワードに検索し、本研究に関連する25文献について検討した。【結果】原著論文9、報告16であった。原著論文は著者が理学療法士が8件、看護師1件であった。報告では理学療法学分野に加えて地域包括ケアや地域連携、データマネジメントに関連するものが多かった。生活機能サマリーに関するものはなかったが、ICFコアセット、FIMとICFの対応コード、ICFのスコアとBI・FIM・FAMスコアとの換算表の作成・評価の検者間信頼性などに関するものがあった。【結論】ICFの検討は、リハビリ職種が積極的に進めている。これまでの医学モデルから生活機能に着眼した生活モデルの評価ツールへの変換を検討している内容のものが多い。今後、地域包括ケアシステムでは、多職種による多様な視点からの評価が重要である。同時に簡素で正確な評価ができるツールが必要である。評価ツールの標準化、活用の推進の必要性が示唆された。