Japan Association for Medical Informatics

[2-G-3-08] 地域医療情報連携ネットワークの事業継続・活用検討に向けた継続年数に関する検証

*Saori Fuwa1,2, Masaharu Nakayama1 (1. 東北大学大学院医学系研究科医学情報学, 2. 株式会社キャンサースキャン)

Health Information Exchange, Electronic Health Record, Regional Health Information Network

【背景・目的】地域医療連携ネットワーク(地連NW)の構築数は近年高止まりしており、継続性や活用に関する課題が指摘されているが、実データに基づく定量的な分析は十分になされていない。中でも地連NWごとの継続年数は、投入金額に応じたコストパフォーマンスや登録患者伸び率の算出など、継続性・活用状況を評価する定量的指標への活用が期待できるが、そのような基礎的データも全数的な把握がなされていない状況にある。そこで本研究では、地連NWの継続年数を明らかにすることを目的とした。【方法】2019年度に厚労省が実施した調査(厚労省調査)および2020年度に日本医師会総合政策研究機構が実施した調査(日医調査)をもとに以下を行った。1)日医調査に回答した地連NWは、2013~2019年度の同調査と突合し、同一都道府県かつ「システム名」または「略称・愛称」が一致する期間を継続年数とした。一致しない場合は目視で判定した。2)厚労省調査に回答した地連NWは、「運用開始年度」より継続年数を算出した。3))日医調査の「システム名」または「略称・愛称」と、厚労省調査の「地域医療情報連携ネットワーク名」が一致する地連NWを同一と判定。両調査から算出された継続年数のうち、いずれか長い年数を採用した。【結果】厚労省調査では218、日医調査では270の地連NWが確認でき、同一と考えられる地連NW数は100であった。両調査のうち2020年度時点で確認できた地連NW(388)の継続年数は、平均4.4±2.4年であった。最長継続年数は15年、5年以上継続が確認できる地連NWは全体の51.3%(199/388)であった。【考察】両調査における対象事業の違いやシステム名表記の差異などから、実際に突合できた地連NW数は予想を下回った。今後方法を改良し、同一地連NW突合の精度を上げた後、事業継続・活用に関する検討を進める。