Japan Association for Medical Informatics

[2-H-1-01] 当院における複数のICTを活用した業務効率化の取り組みについて

*Kanae Danno1, Shingo Tanaka2 (1. 社会医療法人愛仁会本部 企画・医療情報部門 医療情報担当 千船尼崎エリア担当, 2. 社会医療法人愛仁会本部 企画・医療情報部門 医療情報担当)

operational efficiency, RPA(Robotic Process Automation), AI questionnaire, Standardization of nursing plans, ICT

【目的】
 当院では近年、高度に進歩を続けるICTを導入することによって、病院内のルーティンワークやICTで代替可能な事務作業等の業務効率化を目指している。2024年4月から適用される予定の「医師の働き方改革」への対応として、医師の業務効率化や業務負担軽減を図るためにタスクシフティングの推進に取り組んでいるが、移管先となる部署での膨大な既存業務が課題であった。そこで複数のICTを活用することで既存業務の効率化を図った当院の取り組みと経過について報告する。

【取り組み内容】
 業務効率化目的で導入したICTはRPA(Robotic Process Automation)、AI問診、チャットボット、看護ナビと看護実践用語標準マスターを搭載した患者状態適用型パス(PCAPS)の4つである。RPAは対象となる業務を絞り込むため、全部署から業務内容をヒアリングし、優先順位を付けてbotを作成した。AI問診は内科の初診患者から運用を開始した。チャットボットは電話問い合わせが多い産婦人科のホームページに設置した。患者状態適用型パスは1病棟から運用を開始し、全病棟に展開した。

【結果】
 RPAでは地域医療科の返書業務で月30時間の短縮に繋がった。また診療情報管理士のデータ抽出作業や入力作業と言った単純作業に取られていた時間が月89%削減された。AI問診の導入では初診時の医師のカルテ記載時間が大幅に減少した。副次効果としてAI問診はタブレットを使用しているため消毒作業が容易になり、感染予防面でも有用であった。チャットボットは産婦人科への問い合わせによる電話対応の一部が代替されるようになり、受付事務の電話対応に割かれる時間が減少した。患者状態適用型パスでは看護計画の展開が容易になり業務軽減されたほか、看護部全体で観察項目の標準化にも繋がった。