一般社団法人 日本医療情報学会

[2-H-1-05] 医療機器の電波共用と管理コスト削減を目的とした電源タップ型位置状態最適管理ソリューション「ロケモニ」の開発と実装

*大山 慎太郎1、大塚 孝信2、角谷 和飛3、島 孔介2、山下 佳子5、相木 一輝4、出野 義則5 (1. 東海国立大学機構 名古屋大学 未来社会創造機構 予防早期医療創成センター, 2. 名古屋工業大学 情報工学専攻 知能情報分野, 3. 名古屋工業大学大学院 工学研究科 工学専攻 情報工学系プログラム, 4. 東海国立大学機構 名古屋大学 医学部附属病院 臨床工学技術部, 5. 東海国立大学機構 名古屋大学 医学部附属病院 メディカルITセンター)

Low Power Wide Area Radiowave Networks, Medical Device Tracking and Resorce Management, Medical Engineer Assistance Solution

高度化、複雑化が顕著な近代医療現場では医療機器は小型移動化し、多数の同時無線管理が必要になる。現在、医療機器の無線通信管理は主にバイタルモニタ等に利用される医用テレメータが中心で、50%弱の病院で導入されている。近年シリンジポンプをはじめとしてWi-fiやBluetoothによる無線化も進み始めているが、いずれも電波管理が適切になされている病院は少なく、既に電波干渉が医療現場の問題となっている状況である。また医療費削減の社会的背景やCOVID-19の蔓延で臨床工学技士が多忙・不足している状況で増加していく医療機器の運用効率をさらに上げることが求められており、管理システムが診療報酬に反映できない現状、ローコストでの機器運用管理の最適化を行うソリューションが求められている。我々は医用テレメータ電波をはじめとする医療現場で使われる低容量通信を、多数同時通信に適したLPWAにまとめ上げることで電波問題を解決し、さらに医療機器の電力需要と位置情報を把握することで機器利用の最適化をも実現する電源タップ型デバイスを開発した。本機器は医療機器と接続するが、電源タップとして機能するため医療機器承認が不要なことが特徴である。本機器により電力需要や機器の所在が随時確認可能となることによる業務への効果を定量評価したので報告する。