Japan Association for Medical Informatics

[2-H-1-07] 医療現場における無線LAN活用上の今後の課題と対策

*Eisuke Hanada1, Takato Kudou2 (1. 佐賀大学理工学部, 2. 大分大学理工学部)

Wireless LAN, Electromagnetic Environment, Network Management

総務省と厚生労働省の調査(2020年度)によると、日本では90%を超える病院が無線LANを導入している。しかし同調査によると、無線LAN導入済の病院のうち約半数は何らかのトラブルを経験している。その原因の多く特定の場所で電波が届かない」または「無線LANの通信速度が遅い、またはつながらない」である。これらは、アクセスポイント(AP)から端末に届く信号が弱いか、または届いていないことを示している。
 また「通信速度が遅い」の要因として、流通している総情報量あるいは1台のAPに対する接続端末数の過多、またはネットワークの容量の限界に近付いている可能性もあり得る。これらに加え、主にナースコールで用いられてきた院内PHSをスマートフォンに転換し、音声通信をも無線LANを通したものとする動きもみられる。さらに、無線LAN通信機能を持つ医療機器も増え始めている。また、近年は無線LAN運用上の問題として、患者向け無線LANの整備とセキュリティ面を含めた両立のための課題が浮上した。これらのことは、無線LAN活用の今後を考えた時、より大きな問題となり得ると考える。本発表では、これらの課題を整理すると共に原因を明確化し、今後発生しうるであろう障害を示し、解決にむけて現状及び今後取り得るであろう対策を示すと共に、それに対し考察する。