Japan Association for Medical Informatics

[2-H-2-03] シングルボードコンピュータによる在宅医療支援システムについて

*koji yamashita1 (1. 鈴鹿医療科学大学)

Home medical care, IOT, single board computer

1.はじめに  
ラズベリーパイは、外部機器を接続することで様々な操作を行えるため、多くの業界で注目を浴びている。 また、昨今は「在宅医療」が進められており、今後その重要性は急速に増していくと思われる。 しかし、これらの問題解決をはかるためには、患者の異変の早期発見や、収集した情報の分析が求められる。 そこで、本研究では、ラズベリーパイを用いて必要な状況に応じて介助者に通知することや、得られた情報を蓄積し利活用することができる在宅医療支援システムを開発した。

2.システムの概要
今回のシステムはラズベリーパイとカメラ、温湿度センサー等を利用し、カメラで撮影した患者の画像と、住居の温度・湿度・気圧などの環境情報を、サーバーを通して介助者のスマホに送信した上で、検知した環境情報のデータを蓄積して利活用できるようにする。これにより、患者の安否や患者の置かれた環境などの情報を介助者が管理できるようになる。

3.結果および考察
本システムはラズベリーパイによって画像が送信でき、患者の置かれた環境情報と共に送信することで介護者が患者の状態を把握することができる。また、環境情報の蓄積によって環境情報の傾向を確認し、更にグラフ化を行うことで直感的に情報を得ることができる。 さらに動体検知や他の各種センサなどを用いてより患者の細かい状況へ対応できるようになれば、更なる実用性の向上が考えられる。

4.おわりに
本研究で開発した在宅医療支援システムは、環境情報の変化を条件として画像と患者の環境情報を送信することで、患者の異変を察知でき、簡易的だが在宅医療の支援となるシステムとなった。 今後、実際に在宅医療を行うにあたっては更なる環境情報の取得や、医療機関との連携などが必要となるが患者の負担を軽減するためにもラズベリーパイの機能を活用することで、在宅医療の質の向上につながると期待される。