[2-H-2-06] 研究成果のオープンアクセス化の状況とリポジトリでの成果公開効果が論文の被引用数に及ぼす影響:国立試験研究機関1施設の例
repository, open access journals, citations
科学技術・イノベーション基本計画(令和3年3月26日)により論⽂のオープンアクセス化や研究データの公開・共有を含めたオープンサイエンスの推進が求められている。また公的資⾦により得られた研究データの公開基盤となる機関リポジトリの整備を進める必要がある。この研究は、リポジトリ公開を開始した国立試験研究機関1施設の研究者79名のうち、オープンジャーナルでの研究論文公開経験がある者の割合をGoogle Scholarによる検索結果から算出した。また、その論文のリポジトリにおける公開/非公開が論文の被引用数に与える影響を検討した。更に、リポジトリから研究データ公開の経験がある者の割合を確認した。研究論文公開経験がある者は72名(91.1%)に達した。その論文がリポジトリにて公開されている15件の被引用数平均は1.07(最低0~最高3)であり、リポジトリにて非公開の57件の被引用数平均はゼロであった。リポジトリから研究データ公開を行っている者は認められなかった。オープンジャーナルによる論文公開経験のある研究者割合は高かったが、論文PDFにアクセス出来たものの中でプレプリントにて公開されたものは無かった。現在(2022年6月15日)リポジトリでの公開業績は、1279件に達しているが、これらのデータの学術機関リポジトリデータベース(国立情報学研究所)へのハーベスト状況を確認しながら、リポジトリでの公開が、研究成果の被引用数増加に繋がっているか、今後も検討を深めたい。 【この研究は、2022年度国立情報学研究所公募型共同研究(22S0102)「医学研究におけるCOVID-19の研究事例と国際標準モデルを適用した研究データ管理の検討(代表:上野悟,分担:星佳芳等)」の助成を受けて行われた】【謝辞:ご支援いただいた山本歩様、小川芙由子様、加藤美奈子様に深謝いたします】