Japan Association for Medical Informatics

[2-H-3-02] 放射線未読管理システム導入時に工夫した事項及び今後の展開について

*Hisato Suzuki1 (1. 総合病院土浦協同病院)

Radiation report, unconfirmed report, Prevent Outlooking, Communication Errors, Patient Safety

放射線レポート未読管理システムは、医療安全管理の観点から茨城県厚生連が全体的なシステム導入を決定したものであり、当院では院内関係者である放射線科 医師、医療安全管理室、情報システム管理室により仕様の調整を行った上でシステム導入を行い 2021 年 7 月から運用を開始しました。 当院においてシステム仕様上工夫した点としては、医師・研修医が利用しやすいように電子カルテシステムを中心としたことです。具体的には、未読管理機能は放射線部門システムの一つの機能となりますが、登録内容を都度電子カルテシステムに情報連携し、医師・研修医が電子カルテシステムにログインした際に未読レポートの状況が正確に把握できるようにしました。 また、十分な事前周知を行った上で運用を開始しましたが、未読レポート件数が増え るばかりの状況であり、レポート既読登録を行う運用の定着から程遠い状態であることが分かりましたので、改善策として次のサブシステム構築を行いました。
<改善策としてのサブシステム構築> ・30 日以上未読レポートがある医師へ定期的に一斉院内メールを配信するシステム (依頼医及び診療部長へ配信) ・一斉メールから医師別未読レポート件数がランキング形式で参照できるWEBシステムの作成。
これらのサブシステムを構築して適切に運用することで、構築前の時点で 4400 件以上蓄積されていた「30 日以上の未読レポート」を 100 件以下にまで縮小す ることができ、また、レポート作成後の既読登録までの所要日数を大幅に短縮するなど、大きな成果を挙げることができました。 今後もこれら量的な改善を継続することに加え、重要レポートの管理など質的な改善にも繋げ、更には、病理検査レポートの未読管理システムについても同様のプラットフォームにて導入できるよう検討を進めております。