Japan Association for Medical Informatics

[2-I-1-04] 診療用及び研究用画像データ出力機能の統合に関する報告

*Kenji Yamamoto1, Reona Umeki1, Yutaka Itoh1, Akira Endoh1 (1. 北海道大学病院 医療情報企画部)

HIS, CD-R, HIM, Media

【背景と目的】
 本院では、他院への診療情報提供や臨床研究目的で、PACSからメディア(CDR等)への画像データ出力をしている。他院診療情報提供用は、申し込みから出力まで既にシステム化しており、診療録管理室にてメディア作成を行っていた。
 一方、研究用は、院内個人情報保護ガイドラインに基づく誓約書の管理や作成時の暗号化作業が必要なことから、医療情報企画部にて申し込み依頼を受け、手作業で指定の医療情報端末に画像を転送し、一枚一枚暗号化の上、メディア作成及びラベル印刷を行っていた。手作業が多く、excelの管理台帳での進捗管理にも労力を要しており、多言語でのラベル印刷にも未対応であった。また、複数の受け部門があることで問い合わせや引き渡し場所等で間違いもあった。
 今回、これらの問題を解決するために、2020年2月の医療情報システム更新にあわせてシステムを統合し、受け部門を診療録管理室へ一元化したので報告する。
【方法】
 手作業であった研究用メディア作成及び暗号化をシステム化し、さらに、多言語ラベル印刷機能を追加する方法とした。また、診療録管理室の負担を極力増やさないように、既存機能を元に機能を統合し、診療録管理室で運用も含めて一元管理する方法とした。
【結果】
 各機能を一元化したうえで構築し、2020年10月から、受け部門の人員を増やさずに診療録管理室にて一元化して運用を開始した。2022年5月31日までに、研究用CDR454枚(446件)・DVD101枚(96件)、他院情報提供用CDR9,895枚(8,303件)・DVD5,307枚(4,120件)作成した。また、英語表記のメディア作成依頼機能で12件処理した。
【考察】
 既存システムを元とした一元化により、運用変更や操作習得の負担を軽減しつつ、手作業での作業を減らしたことで、診療録管理室の人員を増やさずに、依頼者へのサービスが向上できたと考える。