[2-I-2-06] Federated LearningによるCaraNetの学習検証
Federated Learning, CaraNet, Kvasir-SEG, medical object segmentation
医療AI学習で課題となるデータの不足を解消するため,Federated Learning(FL)技術が注目されている.FLでは機微な医療情報を各医療機関から出さずに,学習済みモデルのみを共有することで精度の高いAIを作ることができる.各FL参加機関は保持する医療情報を用いてAI学習を行い,その学習済みモデルを共有・集約し・再学習という流れを繰り返すことでより集約されたAIの精度を上げていく. 本発表では医療画像分類で利用される手法であるCaraNetをFLで学習させ,その検証結果を報告する.FLでは参加ノードが持つデータに量・ラベルの偏りがある場合(not independent and identically distributed : Non-iid)に学習精度が低下する問題点が報告されている.そこで大腸内視鏡検査画像からポリープを検出するタスクを機械学習する目的で作成されたデータセットKvasir-SEGを意図的に偏らせた状態でFLを行いその学習精度と情報を集約した状態での学習精度との比較を行った. 実験ではKvasir-SEGデータセットをNon-iidデータセット分割で一般的に使われている、Latent Dirichlet Allocation (LDA)手法を用いてポリープのサイズに注目して分割を行った.これは精密検査を行う病院と一次発見を行う病院で見ている症例の偏りを想定している.結果としてNon-iidのFLでもCaraNetで高い精度を確保できることを確認できた. 引き続きハイパーパラメータチューニング・集約アルゴリズムの改善等により精度改善の可能性は残るが,有用性の確認として報告を行う.