Japan Association for Medical Informatics

[2-P-1-02] 文書管理システム出力CSVデータからPythonにて開発したデータ変換ツールを用いてHER-SYSにおける新型コロナウイルス感染症発生届の登録作業省力化を図った経験

*Yuichiro Katsuno1 (1.独立行政法人国立病院機構埼玉病院)

COVID-19, Disease Notification, Program Development

感染症法における指定感染症に位置づけられた新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)は、医療機関において陽性が確定し、医師が診断した段階において”直ちに”最寄りの保健所長を経由し、都道府県知事、または保健所を設置する市長、特別区長への届出提出が義務付けられている。今般のCOVID-19においてはこの発生届提出の運用が段階的に変化してきた。当初はFAXにおける送信のみであったが、令和2年5月末よりHER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)によるWEBベースでの届出方法が登場した。令和3年2月に施行された改正感染症法において、HER-SYSによる届出が“電磁的な届出”として公的な発生届として認められた。当院においてはHER-SYS登場当初よりFAXによる送信を継続していたが、所管保健所よりHER-SYS登録への全面切り替えの要請を受け、令和4年2月よりHER-SYSへのデータ登録運用へと全面的に舵を切った。
しかしクローズドネットワークで運用する電子カルテ端末から直接HER-SYS登録を行うことはできない。紙媒体を見ながら手入力を行う作業に起因する誤登録のリスクと病院事務職員による新たな登録作業時間が生じる。また感染拡大期における人口密集地域の自治体において、この発生届を多くの自治体事務職員によって入力される様子がしばしばニュース等で報道され、感染症行政のあり方に国民の多くの関心が集まるきっかけともなった。感染症指定医療機関である当院でも陽性患者が多く発生する新たな流行期に備え、文書管理システムにて登録したデータをCSV形式で出力したものからHER-SYSへの登録データ形式へと変換行い、複数陽性患者の発生届を一括登録可能とする省力化ツールをPythonにて開発、運用した。