Japan Association for Medical Informatics

[2-P-1-03] 院内搬送ロボットの安全性や実用性についての実証

*Yutaka Handa1, Hiroyuki Inoue1, Yoshihito Suzuki1, Kenji Natsume2, Sato Motoyoshi3, Tomomi Ninai4, Shione Koshimizu4, Tamaki Ogura4, Shintaro Oyama5 (1.新城市民病院 産学官連携推進室, 2.新城市民病院 医療情報室, 3.新城市民病院 腎臓内科, 4.大成建設株式会社, 5.国立大学法人 東海国立大学機構 名古屋大学 未来社会創造機構 予防早期医療創成センター)

Service robot, Digital transformation, logistics

1.背景と目的 高齢化や人手不足が深刻化しており、業務効率向上が急務となっている病院業務も例外でなく働き方改革も含め就労人口減少において時間を問わず稼働が可能であるサービスロボットへの代替が期待されている。我々は、院内搬送ロボットの上部機構・押出し台とロボット統合管制プラットフォーム(以下、当システム)を開発し、ロボット導入が前提とした設計がされていない病院においても導入可能か、また搬送業務の代替および搬送補助の役割を果たすことが可能であるか実証実験を行ったので報告する。 2. 実験システム  バーコード読取り機能を付けた搬送箱押出し台を出発地点に設置。搬送箱には行先とルート情報を登録したバーコードを貼付した。押出し台からロボットに搬送箱を移動させる際にバーコードを読取り、ルート指示を行い、到着時に音声で通知する仕様とした。押出し台は、ロボットから搬送箱を受け取ることも可能。またロボットの位置情報や稼働状態を常時可視化する機能を実装した。 3. 結果  診療材料、検体等の搬送を行い、搬送にかかる時間を人での搬送と比較した。何れも人と同等の時間で搬送を行うことが出来、物品搬送業務はロボットで代替可能だと確認できた。また、職員アンケートの結果から、ロボット搬送によって業務負担の軽減および搬送ミスの軽減を確認できた。一方、安心感を持てる外見や、移動中の安全性確保、ロボット運用動線上の課題など施設でのロボットの在り方についても課題が明らかになった。 4. まとめ 病院においてロボットを用いることは搬送業務の代替または搬送ミスの軽減など搬送業務の補助的役割を果たすことが可能であると確認できた。一方、安全性やセキュリティ面、ロボットバリアフリーな施設の在り方、運用面での課題も抽出できた。今後は当システムの機能を向上させ、物以外の搬送も含め安全に行えるシステム構築を目指していく。