一般社団法人 日本医療情報学会

[2-P-1-04] 家族型ロボット「LOVOT(ラボット)」の医療・臨床現場における活用に関する予備的研究

*石橋 麻希1、小林 泰之1 (1.聖マリアンナ医科大学)

Social Robot, Robot-Assisted Therapy, Health Care

【背景及び目的】犬などの動物を活用した動物介在療法の有効性が報告されているが、家庭型ロボットを活用したロボット介在療法に関する報告はほとんどない。今回、我々は医療現場における家族型ロボットの新たな可能性を追及し、ロボット介在療法の可能性を探索する。 【対象及び方法】腫瘍センター(外来抗がん剤治療部門)における看護師、抗がん剤治療中の患者を対象とした。家族型ロボット「LOVOT」を部署に設置し1か月間活用してもらう。声を掛ける、撫でる、抱っこをするなどロボットとコミュニケーションを継続的に取ってもらい、その前後でアンケート調査を行った。 【結果】医療従事者19名、抗がん剤治療中の患者13名を対象とした。「今後もLOVOTを使用したいか?」の質問に関して、「とてもそう思う」9/13(70%)、「そう思う」4/13(30%)であり、100%肯定的な意見であった。また66%の看護師も同様に今後の使用希望の結果であった。「治療が辛いですか?」の質問に、LOVOTに接する以前は「まったくそう思わない」1/13(7%)、「そう思わない」、1/13(7%)であったが、接した後は「まったくそう思わない」2/19(15%)、「そう思わない」3/13(23%)と、治療の辛さが若干緩和されていると考えられる結果となった。「笑顔が減ったと感じる?」の質問については、LOVOTと接する以前は「まったくそう思わない」4/13(31%)、「そう思わない」3/13(23%)であったが、接した後は「まったくそう思わない」5/13(38%)「そう思わない」5/13(38%)となり、笑顔が減ったという状況が改善されているという結果であった。 【結語】100%の対象患者・看護師から肯定的な意見が得られ、患者のストレス緩和や患者・看護師間のコミュニケーション促進などロボット介在療法の有効性を支持されたと考える。