Japan Association for Medical Informatics

[2-P-2-03] 重回帰分析を用いたCT検査数に及ぼす要因の検討

*Keiichi Shida1, Kouta Yabe2, Rei Yoshida3 (1.帝京大学 福岡医療技術学部, 2.福岡新水巻病院, 3.浜松医科大学医学部附属病院)

Computed Tomography, Multiple regression analysis, Number of examination

【背景】都道府県別の人口当たりのCT装置数は偏りがあると報告されている。また、CT装置の過剰な供給がCT検査の需要を生んでいるのではないかとの報告がある。しかし、CT検査数は、地域の疾患特性や、病院配置などに影響されると考えられ、CT検査数がどのような因子に影響されているとのとの報告はされてはいない。【目的】本研究は、CT検査数に影響を及ぼす因子を、重回帰分析を用いて明らかにし、今後のCT装置の配置について役立てることを目的とする。【方法】都道府県のCT検査数は、National Data Baseを用い、画像診断の都道府県別算定回数から、入院・外来に分け、人口千人当たりの検査数を算出した。CT検査数に影響すると因子として、10万人当たりの医師数、病院数、CT装置数、放射線技師数など56項目を説明変数とした。各データは主に政府統計の総合窓口e-Stat、国立がん研究センターがん統計などを参照した。CT検査数を目的変数とし、56項目から多重共線性がある項目を除外し、重回帰分析を行った。Variance Inflation Factorを10以下とし、統計学的有意差は0.05、説明変数が目的変数に与える影響の大きさを表すt値は、2.00以上とした。【結果】説明変数とした56項目から、相関のある項目を除外した16項目であった。外来の検査数では、説明変数のうち放射線技師数(p<5.62E-08、t=6.70、β=2.41)、スポーツ人口(p< 0.04、t=2.10、β=-3.19)が検査数増加の面において、有意に寄与していた。入院の検査数では、説明変数のうち放射線技師数(p<1.77E-08、t=7.02、β=1.54)、癌罹患率(p<6.70E-04、t=3.69、β=0.06)が特に検査数増加の面において優位に寄与していた。