一般社団法人 日本医療情報学会

[2-P-3-04] 高統合率、高可用性を目指した仮想基盤の構築

*中原 孝洋1,4、守下 昌輝2、林 政成3、佐伯 智恵3、首藤 雅一3、久藤 元5、冨永 和宏6 (1.国立病院機構京都医療センター、2.九州歯科大学クリニカルクラークシップ開発学分野、3.九州歯科大学事務局、4.九州歯科大学、5.九州歯科大学副理事長・CIO、6.九州歯科大学顎顔面外科学分野)

Hospital Information System, On-premises type Personal Cloud, Fault Tolerant, External Operation

はじめに
九州歯科大学附属病院では、2017年3月に外来部門を電子カルテに移行した。この際、文書管理及び画像管理システム、検体検査、入院カルテ管理システムを学部の仮想基盤に展開し、サーバ導入コストを大幅に削減することに成功した(第37回医療情報学連合大会で報告)。
今回、仮想基盤を更新するにあたり、さらに統合率を高めるとともに、可用性を向上させ、一方で総合的なコストの圧縮を図った。

方法
サーバハードウェアにはFTサーバを使用し、ストレージはニアラインSASとした。登載メモリは320GBで、サーバは冗長化されたL3コアスイッチに10Gbpsで直結した。
Windows Serverは、更新時点でもVM数が多く今後も増える見込みが高いことから、Datacenter Editionとした。

結果
新前は、3ホストに26VMが割り付けられていた。従来別サーバだった教務システムや財務システム等を収容し、さらに認証サーバの負荷分散等のため今回40VMと極めて高い数値となった。HDDはスペックダウンしたが、キャッシュの導入もあり従前と変わらないパフォーマンスである。
バージョンアップ等は行ったものの旧システムからV2Vで移行したものも多く、更新自体は極めて円滑に進めることができた。
2022年度ネットワーク更新時にもアプライアンス用に仮想サーバを構築することから、今回の仮想基盤には、あと10~20VMの稼動が可能である。

考察
「大学の規模が小さいため、共用化できるものは共用化しよう」というコンセプトで、2017年から学部側で附属病院システムを運用することになった。今回はFTサーバを使用しているため、あらゆる部分が二重化しており、障害が発生しても自動的に切替えが行われ、極めて高い可用性を得た。
大学のほぼ全てのサーバを統合することができ、コスト削減だけでなく保守性も向上させることができた。