一般社団法人 日本医療情報学会

[2-P-3-05] 医療情報システム依存性調査ならびにその結果

*山岡 紳介1、山下 和伸2、関谷 修平3、河原 正裕3、長瀬 啓介1 (1.金沢大学附属病院 経営企画部、2.株式会社 ICCシステムソリューションズ 、3.NECソリューションイノベータ株式会社)

Health Information System, System Update Process, Computer Security, System Dependencies

病院情報システム更新時、検討しなければならない課題の一つとして、インストール予定のソフトウェア全てが安定して動作するクライアント端末構築を如何にして行うかがある。クライント端末構築時の問題点を事前に察知し入念な準備することは稼働後のシステム安定化につながる条件の1つであると考える。

安定したクライアント端末環境構築のために、2022年1月の病院情報システム更新・稼働に向けて、金沢大学では稼働1年前よりクライアント端末にソフトウェアをインストールする予定のベンダー24社58システムに関する技術調査を行った。 調査内容は、OSの対応バージョン、ライセンス・法律等による制限、インストール方法、ドライバ・ライブラリ、動作に必要なソフトウェア、ログファイルの出力、ネットワーク関連(ポート番号、ファイアウォール)、デスクトップアイコン、タスク・サービス登録、レジストリ・環境変数、ブラウザ、DBへの接続情報等を中心とした38項目である。

技術調査結果をもとに、OSのバージョン最終選定、クライアント端末内に複数バージョンを同時にインストールできないソフトウェア・ライブラリのバージョンの調整、事前のドライバ準備が迅速に過不足なく行えた。また、結合テストにより想定していた設定では対応できなくなった場合に影響するベンダー抽出が迅速に調査できた。加えて収集した通信情報をもとに端末のファイアウォール設定だけではなく、院内ファイアウォール機器への通信制限設定を施し、院内セキュリティの強化につなげた。