Japan Association for Medical Informatics

[2-P-3-06] 医療情報システムのパブリッククラウドへの移行と課題

*Yoshinori Yamashita1, Yasuhiro Shimizu1, Nanami Senshu1 (1.福井大学)

Public Cloud, SD-WAN, Virtualization

[目的]
本院では、これまでに仮想化を進めてきており、サーバのみならず端末の仮想化も行ってきた。
これまでは、院内での集約であったが、外部のクラウド環境を活用したパブリッククラウドへの移行を行い、ハードウエアの更新を含めるのではなく、単なるシステムの更新とすることを目標とした。
[方法]
既に大部分の仮想化を行われているので、仮想化環境の移行先としてパブリッククラウドのサービスを利用することとした。
外部のクラウド環境を利用するため、病院からは回線を利用することとなるため、回線の遅延による影響と回線障害を考慮し、複数回線を同時に利用するSD-WANにて接続を行った。
トラフィック及び回線遅延の影響を事前に評価し、パブリッククラウドの利用構成を評価した。この中で、回線遅延が影響する部分については、最低限のオンプレミス上に仮想サーバを残したハイブリッドクラウドの構成とした。
[結果]
電子カルテ・部門システム・仮想端末とも仮想環境としてパブリッククラウドに移行を行うことができた。
この中で回線遅延影響が大きいPACS等の画像系システムについては、フロントエンドとしてのキャッシュシステムをオンプレミスで配置することで対応を行った。
回線についてはSD-WANによる複数回線を同時利用となり、主副回線の切り替わりの影響がない構成となり、複数回線が仮想的に1つの回線としての扱いが可能となった。
[考察]
パブリッククラウドでの運用としては、ハードウエアメンテナンスを意識する必要がなく、運用負担の軽減という面での効果は大きい。
また、クラウドサービス環境のオブジェクトストレージなども選択が可能となった。
しかしながら、本院規模だけではコストメリットが出るだけの規模ではないため、今後共同運用など規模の拡大が必要である。