一般社団法人 日本医療情報学会

[2-P-4-04] 患者調査の効率化に資するICDツール実装のための歯科病名ライブラリの開発

*佐藤 洋子1,2、星 佳芳2、高田 春樹3、木村 映善3、池川 麻衣2、山上 浩志4、田代 朋子5 (1.静岡社会健康医学大学院大学、2.国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター、3.愛媛大学大学院医学系研究科、4.一般財団法人医療情報システム開発センター、5.有限会社ティ辞書企画)

Patient Survey, Terminology of Dental Diseases, ICT tool

患者調査の歯科診療所票の傷病名は16区分(歯科傷病名16区分)から選択することとなっているが、調査対象となった歯科診療所の入力者はこの選択に困難を感じており、登録したい病名と16区分の対応が統一されていない可能性がある。また、これはICD-10に基づく分類と粒度等が異なるため、現状で国際比較が困難である。本研究事業の分担研究「調査の効率化に資するICTツールプロトタイプ開発」(研究分担者 木村映善)において、患者調査の調査票を提出する医療機関と、それを受け取る厚生労働省の両者の作業効率化を図るためのICTツールの開発が行われている。そこで、本研究では、ICTツールに実装する際に必要となる標準歯科病名マスターと歯科傷病名16区分を対応させた歯科病名ライブラリの仕様検討および作成を行った。
 歯科診療の実態表現には、診断名を使用する場合と処置内容を使用する場合がある点に加え、その表現は経過により変化するため、手引きなどで詳細な方針を示す必要があると考えられた。また、医科病名の取り扱いと異なる点として、標準歯科病名マスターには病名表記が存在しないが、歯科傷病名16区分に該当するような病態の選択への対応の整理も必要であることが明らかとなった。
 今後、これらの課題を整理し、歯科病名ライブラリを完成させ、ICTツールへの実装および検証を行う予定である。
 本研究は、厚生労働科学研究費補助金(政策科学総合研究事業(統計情報総合研究事業)「患者調査の効率的な実施手法の確立に資する研究(21AB1001)」で行った。