一般社団法人 日本医療情報学会

[2-P-5-01] 長崎大学病院における中央採血室混雑緩和のための取り組み

*臼井 哲也1、石原 香織1、木村 由美子1、加勢田 富士子3、長谷川 寛雄3、松本 武浩2、 栁原 克紀3 (1.長崎大学病院 検査部、2.長崎大学病院 医療情報部、3.長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 病態解析・診断学)

central blood collection room, reservation, alleviate congestion

【はじめに】 中央採血室における一日平均採血件数は平常時において約400件である。 当院外来における特に午前中早い時間帯の中央採血室の混雑は、患者のみならず医療者側からの苦情にもさらされていた。そこで2019年9月に採血ブースの増設、2021年7月に採血予約制の導入を行った。その取り組みの詳細および結果について報告する。 【対象・方法】 取り組み前、採血ブース増設後、および採血予約制導入後における各時間帯の受付済み患者数、採血済み患者数、待ち人数等の中央採血室患者動態を比較した。 【結果】 採血ブース増設による効果の評価として、採血待ち患者数の最大数を比較したところ、取り組み前128人、採血ブース増設後35人(73%減少)、採血予約制導入後43人(66%減少)であり採血待ち患者数の大幅な減少が認められた。また、採血待ち人数が中央採血室内の中待合のみで収容できる18人未満になったのは、取り組み前は12時30分、採血ブース増設後は12時、採血予約制導入後は10時30分となり混雑時間帯の大幅な短縮が認められた。 次に、採血予約制導入による効果の評価として、採血ブース増設後と採血予約制導入後を比較したところ、10時までの受付済患者数は246人(全採血患者の55%)から229人(全採血患者の54%)へと微減、11時までの受付済患者数は337人(全採血患者の76%)から293人(全採血患者の69%)へと減少、12時までの受付済患者数は376人(全採血患者の85%)から339人(全採血患者の80%)へと減少しており、患者来室時間の午前中早い時間帯からの分散が認められた。 【結語】 採血ブース増設により採血のスピードアップ、採血予約制の導入により患者来院時間の分散が図られ、採血患者による混雑の緩和および患者待ち時間の短縮に貢献した。