一般社団法人 日本医療情報学会

[2-P-5-02] コロナ禍における密回避のための統合認証を用いた予約管理システム

*安德 恭彰1、江口 美和2、岡本 未央2、後藤 芳美1、秦野 浩司3、下村 剛1,3 (1.大分大学医学部附属病院医療情報部、2.大分大学医学・病院事務部総務課安全衛生係、3. 大分大学医学部ヘルスケアAI・データサイエンス講座)

Integrated Authentication, Reservation System, Covid-19

【はじめに】
コロナワクチン接種に向けて密回避の方策として予約管理システムの構築をおこなった。構築の方針として、1)簡易に予約できること、2)予約者の特定ができること、の2点が挙げられた。本学では、教職員の統合認証システムと連動することで簡易な予約手法を実現した。
【方法】
学内専用Webサーバ(CentOS7.9)上に、Apache2.4.6、Perl5.16、JavaScriptを用いて予約システムを構築した。統合認証との連携は、LDAPサーバとの連携で実現している。 管理画面から予約ページを作成し、ページ内に予約枠を作成する。予約枠は、日付と時刻を選択し追加していくと、マトリックス状に予約枠が作成される。各枠の登録上限は任意に変更可能である。 作成した予約ページにユーザがアクセスすると、統合認証による認証後、予約枠が表示され空きのある枠をクリックすると予約完了する。予約後、予約枠にはキャンセルボタンしか表示されない仕様とした。キャンセルする場合は、キャンセルボタンをクリックすることで行う。 予約時に必要な氏名、所属などの情報は統合認証システムから紐づけるため、システム利用にあたり新規入力は必要ない。
【結果】
簡易な操作性のため利便性がよく、また機能を絞った作りのため、他の用途にも使い回しが可能となった。これまでにコロナワクチンの接種予約(計6回)だけでなく、年2回の定期健康診断、電子カルテシステム更新時の顔認証登録予約など約40件の予約管理に利用されている。健康診断に関しては、例年、混雑時には数十分待ちの状態が続いていたが、予約枠の実施により混雑の回避にもつながっている。 従来、この手の予約システムは氏名をはじめとする予約情報の入力に時間を取られていた。本システムでは、すでに入力済みの登録情報と紐づけることで予約登録における入力情報を最小限に止めることを可能にした。