一般社団法人 日本医療情報学会

[2-P-6-05] 医師の働き方改革に対応するためのタスクシフト推進アプリケーションの開発

*亀田 義人1 (1.千葉大学医学部附属病院)

business application, work style reforms, task shifting

【背景】労働基準法改正により36協定における労働時間の上限が設けられ、2024年に医師に与えられていた労働時間上限の猶予期間が終了する。厚生労働省は医師の働き方改革検討会を開催しその中でタスクシフトの重要性が認識されるようになった一方で、指示が明示されていないことによるガバナンス上の懸念や、指示箋が紙のため指示箋の移動が業務フローの効率化を妨げるなどの課題がある。
【目的】医師から他職種へのタスクシフト推進アプリケーションを開発する
【方法】千葉大学医学部附属病院で外来業務改革を実施、タスクシフトするにあたって最適な業務フローについて明らかにした。次に、タスクシフトによりどの程度の業務軽減が図れるか調査を実施した。学内の医工連携のマッチングイベントで報告、開発はマッチした企業の協力のもと発表者が株式会社EUZEnを設立して開発に取り組んだ。 セキュリティを担保し対策コストをなくすためにオンプレミスでの運用を前提に開発した。
【結果】整理した業務フローを元に医師事務作業補助者を活用した院内検査の同意説明代行、外来予約変更対応などの代行業務を実施。指示箋は紙帳票を利用して運用し、結果代行前後の業務負担感は10件法で平均8から5に減少が認められた。帳票をソフトウェア化すべく開発を開始。医師による指示状況とその対応状況を見える化した。患者リスク状況を一目で把握可能とし、指示箋と指示に対応する帳票の紐付けを行ない、指示箋及び帳票は自由に設計できる様なプラットフォームを構築した。タブレットとの連携も可能とし、患者が待ち時間に自分で入力可能な帳票を設定可能とした。画像データの取り込みを前提とした帳票も設計可能とし、紙運用のケースでもシステム上で管理が可能となった。本ソフトウェアの医師の指示及び対応結果を一元化は働き方改革に貢献すると考える。